ニッポン野遊び化計画

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自ら選んだ道はホームレス。次世代型ホームレスに出会った話

今この「ホームレスに出会った」というタイトルをみてどんな人をイメージしましたか?

 

おそらくふつうは、新宿西口や河川敷のダンボールハウスに住んでいるおじさんで、髪もヒゲものび放題。ふだんは空き缶を集めてそう、といったところでしょうか。

 

僕のホームレスに対するイメージももちろん同じようなものでした。

 

ただ最近は「ホームレス」に対するぼくのイメージが少し変わってきています。

 

それはなぜかというと、さっき書いたようなイメージをくつがえすような新しい世代のホームレス、いや「ホームレス=家がない」というよりは「家が必要ない」ライフスタイルをみずから選択している人が意外といる、ということに気づいたから。

 

新世代のホームレス

 

そのひとりが、これから紹介する駒木くんという20代前半のホームレス。

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現在、彼は家がない状態で全国を旅しながらイベントでバーテンダーをしたり、定住しない状況をいかしたさまざまなチャレンジをしています。

 

ぼくもあるイベントでバーテンダーをしていた彼に出会いました。

 

話をしていると彼の生き方や考え方がかなり興味深かったので、先日一緒に飲みながらいろいろと話を聞いてみました。

 

今回はそんな新世代のホームレスについての話。

 

まず渋谷で彼と会って最初に、ホームレスとしてどんな生活をしているのか聞いてみるとちょっと変わった答えが返ってきました。

 

彼にとってホームレスとは、単にホームをレスした状態のことではありません。

 

そして今、彼はホームレスならではの視点で小さなサービスを無数に生み出しているのだとか

 

しかもそのサービスの報酬はほとんどが直接お金を介しないような仕組み。

 

たとえばそのサービスの一つは「ホームレス不動産」というサービスです。

 

これは駒木くんが日々のホームレスライフで見つけた野宿スポットを「不動産物件」ととらえ、その地理条件や間取り、安全度や快適度、ワクワク度の面を評価して情報提供する、というもの。

 

そして野宿をしてみたい、という人にはその場所への案内までするのだとか。

 

すでに彼のFBページではいくつかの物件が紹介されています。

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これはアウトドア好きとしてもかなり興味深いサービス。利用してみたい!

 

他には「ホームレスランチ」というサービスも。

 

これは、メニューや限定せずにホームレスがランチを届けるサービス。先にあらかじめ顧客に普段食べる量、嫌いなものなどのみのヒアリングを行い、その人に食べて欲しい弁当を選んで買って持っていくサービスです。

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しかもほぼ原価に近い価格で提供するそう。


ホームレス+飲食という切り口がかなり斬新ですよね。

 

その他にも色々あるのですが、全て報酬はお金ではなく食事や入浴など、ホームレスが提供する価値と顧客がもつ価値の交換という所を目指しているのがあたらしい試み。

 

また、バーテンダーを中心としたイベントを実施したり、将来的にはトークで食べていけるよう、ホームレスというライフスタイルについて語るイベントを開催していきたいとのこと。

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また近いうちにそんな彼のライフスタイルをブログや動画で発信していくそうです。

 

とにかくいつもワクワクしながら、自分に共感してくれる人たちと一緒におもしろい企画を考えて実行していくつもり、と目をキラキラさせながら話す駒木くん。

 

こんな話を聞いていくうちに、ぼくは彼がなぜそんな既存のホームレスとはちがったホームレスになろうと思ったのか不思議に思い、その理由をきいてみました。

 

彼がホームレスになった経緯は?

 

するとその理由は、これまでの生い立ちや大学時代の経験にも多少関係しているとか。

 

彼は愛知県の名古屋出身で、両親が教師の家庭に生まれました。19才までは名古屋で育ち、作業療法士の資格を取るために医療系の大学に通うために関東でひとり暮らしをスタート。

 

彼は医療実習やアルバイトの経験を通して、非言語的もしくは慣習的なコミュニケーション、つまり暗黙の了解や社交辞令などが不得意ということをいつも感じていたそうです。

 

また興味がないことを続けることが普通の人よりも特に苦手で、そんな時には集中力が続かないという自分の特徴もなんとなく自覚していました。

 

そんな性格的特徴やさまざまな事が重なり、2017年の一時期は不登校に。大学の相談室に毎週通い、カウンセラーと壁打ちのようなやりとりをしながら自分と向き合う日々が続きます。

 

ただ、大学に行かせてくれた親の恩義にはこたえるべく根気強く勉強を続け、今年の3月にみごと国家試験をクリア。

 

でもその作業療法士の国家試験をパスしたにも関わらず、彼はホームレスになるということを選択しました。なぜでしょうか?

 

彼が医療系大学を進路に選択したのも、親の「人の役に立つ立派な職業につきなさい」という教えにしたがっただけで、自分が選んだ選択肢ではありませんでした。

 

彼は自分の特性をふまえ、また大学卒業を間近にして初めて自分がやりたいことは何か?ということをひたすら自問自答したのです。

 

自分がいつもワクワクしているためにはどうしたらいいのか。できる限りやりたいことをして生きていくには?お金を通した関係から逃れて好きな人達と関わって生きていくにはどうしたら? 

 

この三つを実現するために自分が進む道を探し続けた結果、たどりついたのが「ホームレス」という道。

 

そしてぶじに国家試験をパスしたあと、これまでは両親に自分の意見や気持ちを言っていなかったことに気づき、あらためて自分のやりたいことをうちあけました。すると親もしぶしぶ駒木くんのやりたいことを認めてくれたのだとか。

 

また大学時代にネットワークビジネスなどの勧誘で近づいてくる知人にだまされそうになった経験などから、お金を介して人と接することがトラウマになっていることも理由のひとつだそう。 

 

そんな経験からホームレスという生き方やサービスを通して、お金を介さずに価値と価値を直接交換しながら、彼の活動やイベントを世の中に発信していくことを決めた駒木くん。

 

また彼のホームレスサービスには、不登校になった学生や、出社拒否のサラリーマンをホームレスがサポートするサービスもやっていきたいとのこと。そこからは過去の自分の経験をいかして彼なりに世の中に関わっていく意思のようなものを感じました。

 

「家を持たない」という選択肢がもたらすもの

 

またぼくは彼のホームレスとしての活動について聞いていて、すこし考えたことがありました。
 
もし彼の活動が広く発信されて、これまでのネガティブな「ホームレス」というイメージがアップデートされ、ポジティブで場所にとらわれず生活するライフスタイルとしての新しいホームレス像が世間に認知されたとしたら。
 
それは政府から国民にお金を渡すだけのベーシックインカムよりも、もっと有効なセイフティーネットになる可能性があるのでは?
 
最近では職業や社会的信用を失い社会で生きていく希望をなくしてしまった人による犯罪増加リスクが指摘され、そういった人を「無敵の人」と呼んだりします。
 
もしホームレスという生き方がオルタナティブで自由なもう一つの生き方として世の中にポジティブに認知された時、それはそんな人にとっても希望の一つになるのでは、というのは言い過ぎでしょうか。

 

そんな新世代のホームレスであり、旅するバーテンダーでもある駒木くんの活動は今年の4月からはじまったばかりですが、彼のFBページではすでに様々な企画やチャレンジが発信されています。

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僕は今後も彼の活動に注目していきたいと思います。 

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もしこの記事をみて彼のホームレスとしての活動が気になった方は、ぜひ以下のFacebookプロフィールページをのぞいてみてください。

 

・駒木翔 Facebookページ

https://www.facebook.com/profile.php?id=100003746962058

 

#ホームレス #場所にとらわれない #新しい働き方