そういえば先月「バンライフを語る夜」というイベントに参加した話について書きました。
「バンライフって?」という方はこの記事をどうぞ。
そのイベントのスピーカーとして登壇していた「ハイパー車上クリエイター」こと渡鳥ジョニーさん。
さまざまな冒険を通して暮らしを実験しているその生き方と、「バンLDK」「車以上、家未満。その間の、自由で上質な暮らし」など、心を掴むコンセプト&キャッチに、完全にやられた僕。
そのライフスタイルがあまりにも興味深かったので、その後すぐジョニーさんにアポイントをとりました。
渡鳥ジョニーさんの拠点とバンを見学!
そしてつい先日、ジョニーさんがが拠点としているコワーキングスペース「永田町GRID」と、住まいとしているベンツ トランスポーター307D、通称「ベントラ」を見学させてもらうことに。
その永田町GRIDですが、地下鉄の永田町駅から徒歩2分とアクセスの良い場所にあります。
地下鉄をおりると、ブラックスーツにぶあついブリーフケースをもったおじさんたちがたくさん。街中にはちょっと威圧的な雰囲気のポリスマンがところどころに立っています。
僕みたいな半袖短パンの人間はどうも落ち着かない町。
すぐにビルの入り口に到着。なかなか豪華な看板が。
1Fにはウッドデッキと植物に囲まれたすごしやすそうなカフェがあります。
お洒落な雰囲気にアウェイ感を感じつつもおそるおそるエントランスの中へ。
ビルのフロアガイドをみると6階建てになっていて、GRIDを運営している株式会社ガイアックスさんのオフィスも3Fに入っているようです。
エントランスにはサイネージがあり、その日開催しているイベントスケジュールが表示されていて親切設計。
そのうちにエレベーターからジョニーさんが出てきてくれたので、さっそく一番の目的のベントラ見学へ。
実際目にすると307Dは思ったよりデカい!
若干テクスチャーが入ったマットなグレーと天井部分の濃い青が渋いカラーリング。ジョニーさん自身が塗装したとか。
そしていよいよベントラの中へ。
運転席を経由して後部荷台へ行くと、大人の男性が余裕で立てるウォークスルーの空間が。
ウッド調をベースとした空間がオレンジ色の光で照らされてほどよく落ち着く雰囲気。片側の壁には収納とキッチン、もう一方はベッドが収納されています。
ベッドは跳ね上げ式になっていて、リビングと寝室を兼ねられる設計になっています。まさにバンLDK。
小分けにされた収納と小さいながらもキッチンシンクもあり暮らしやすそう。
天窓からは永田町GRIDが入るビルが見上げられます。
ルーフ上には太陽光パネルもついていて電気も供給可能な仕様。GRIDにいながらも車はオフグリッド。
バンを見た後は永田町GRIDの中を案内してもらうことにしました。
5Fの「MIDORI.SO(みどり荘)」は会員だけが使える共有スペースと、企業が入居するシェアオフィスのフロア。黒いタイル張りのシェアキッチン付き。
くもりガラスで仕切られた打ち合わせスペースもあります。
なんとここには小さめの図書館のようなライブラリーコーナーが。
仮眠室までついていて感動。
汗をかいたらシャワーも浴びられます。
そして屋上には「Cloud9」という無垢板フローリング張りの開放的な空間が広がります。
ここでハンモックでくつろいだり、屋上でちょっとしたパーティなんかも開催しているそうです。
永田町のビルの上にこんな都会のオアシスがあるとは知りませんでした。
6Fに下がると「ATTiC」という多目的スペースが。最大200人収容の大規模スペースで、パーティからミートアップまでの大規模イベントが開催できます。
次に地下へ行くと、個人情報登録をすれば会員以外でも使えるコワーキングスペースと広めのイベントスペースが。
この日はちょうど映画の上映会をしていました。そのほかにもキッズ向けプレイルームなどもあり、かなり多様な利用の幅に対応できる充実した施設でした。
視察の中で色々とジョニーさんに「ハイパー車上クリエイター」としてバンライフをスタートするまでのお話を伺いました。
渡鳥ジョニーさんの活動経歴
ジョニーさんは東京出身のWebクリエイター。慶応大学在学中にはじめたウェブ製作のスキルを生かし、外資系広告代理店に就職。最初はエンジニアだったそうですが、次第にその活躍の場を広げていきました。
2009年にはGoogleのキャンペーンボーイに抜擢され、全国を回りながら食レポを行う元祖YOUTUBER的な活動をしていたとか。このころはまだ今のようにたくさんのYOUTUBERがいなかった時代。
2010年以降は結婚を機に暮らしかた冒険家として活動をスタート。従来の結婚式のあり方を見直す「結婚キャンプ」を広める活動を展開。自身も実際に山の上でキャンプをしながら結婚式をしたそう。
そして2011年の東北の震災をきっかけに熊本に移住し、「古民家リノベ」「高品質低空飛行生活」「物技交換」など震災以降の暮らし方を模索。そんな新しい暮らし方が坂本龍一さんの目にとまります。なんとあの坂本教授に「君たちの生き方はアートだ」と評されたとか。
その後坂本さんがゲストディレクターをつとめる2014年の札幌国際芸術祭に出展することになりました。すごい展開。
坂本龍一さんに呼ばれたことと、昔から雪国にあこがれていたこともあり、熊本から札幌へ夫婦で移住。札幌では洋風の戸建てを借り、リノベしてさまざまな暮らしかたを実験。
その後は2018年の離婚を機に東京へ拠点を移したそうです。そして2018年4月からいよいよジョニーさんのバンライフがスタート。
なぜバンライフをスタートしたのかジョニーさんに聞いてみると、熊本や札幌で月2~3万で家を借りていたのもあり、都内で高い家賃を払って狭いところに住むのがいまいち想像できなかったとか。
またどうせ狭いところに住むなら車でいいのでは、と発想を転換。ネットとPCさえあればどこでも仕事ができるし、その住まいが移動するということにワクワクしたそう。
僕もマンションを購入しローンを組んでいる一人ですが、せまい日本のなかで皆が必死に家を購入し、かかえた長期ローンの為に働き続けることにちょっと疑問がありました。
ジョニーさんのライフスタイルを聞いた瞬間、その答えの一つを実践している人がここにいた、という感じがしました。
見学後は、次の用事へと出かけるジョニーさんと一緒に永田町の駅へ向かいながら話をしたのですが、彼のバンライフに関する実験はまだまだ道の途中。ベントラの内装も前オーナーの造作のままだそうで、もっとシンプルな内装に変更していきたいそうです。
またバンライフに興味をもった人たちがそのライフスタイルをスタートしやすいような仕組みも考えているようで、聞いていてめっちゃワクワクしました。話が面白すぎて逆方向の地下鉄に乗りかけた位です。
以上が暮らしかたを冒険にして車上で新しい生き方をつくりだしている渡鳥ジョニーさんの話。
今回はいろいろと刺激をうけたので、僕も今後自分のバンライフをもっとアップデートしていこうと思います。
・LESS THAN HOUSE, MORE THAN CAR (渡鳥ジョニーさんのサイト)
・永田町GRID
#バンライフ #vanlife #場所にとらわれない暮らし